プロフィール:松岡 史樹(まつおか ふみき)
三重大学人文学部法律経済学科卒業。大学卒業後、地方銀行に就職。預金、融資、金融資産販売等の業務を担当し二年弱従事。その後ZEINに参画。趣味はキャンプ、公園の散歩、アニメ、映画鑑賞。最近は、運動不足解消のため、大学生ぶりにダンスを始めた。
※掲載の役職は、インタビュー時点のものです。
これまでの仕事とやりがい
これまでのお仕事の内容について教えてください。
ZEINに参画してから、3つのプロジェクトに従事しました。
入社当初は、Fintech分野のメガベンチャー企業におけるタスク管理プロセスの導入プロジェクトに参画しました。
ビジネスサイドとシステムサイドを跨いだ問題や課題の抽出と、その解決に向けた対応状況を共有化する為の仕組みを策定するといったものです。宙に浮いた課題を適切な担当者に割り当て、かつ優先順位を明らかにすることで、システム開発を継続的に改善するといった取り組みを行っていました。
2つ目の案件は、大手エネルギー会社の統合に伴う、ERP※1パッケージシステム導入を行うといった大型プロジェクトで、システム本番稼働のためのデータ整備対応のメンバーとして参画しました。
“出荷・受注・仕入”といったサプライチェーン関連のデータを、既存システムから新システムに移行するために、各モジュール間で整合性に問題がないか検証した上でデータを整備したり、ユーザーからの申請データを精査した上でマスタへ登録したりする、といった作業に従事していました。
3つ目の案件で現在参画中のプロジェクトも、Fintech分野のベンチャー企業です。不動産を始めとする多種多様なアセットに対応するSaaS※2型クラウドファンディングシステムのプロジェクト管理と並行して、要件定義・設計メンバーとして参画しています。具体的には、システムの要件周りの整理や、各種設計関連の成果物の作成、及びプロジェクト管理関連の業務を担当しています。
投資機会を広げていくためのビジネススキームや将来展望など、非常に興味深いプロジェクト内容で、ハイレベルながらも日々刺激を受けながら奮闘しています。
※1 ERP:Enterprise Resource Planningの略。企業の「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」などの基幹となる業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムのこと。
※2 SaaS:Software as a Serviceの略。インターネットを介して、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェアのこと。
例) Microsoft 365, G suite, マネーフォワードなど
どのような瞬間にやりがいを感じますか?
やりがいは常日頃から感じています。
ひとつひとつ成功体験を重ねていくこともそうですが、何より自分のポテンシャル以上のタスクを任せてもらい、挑戦できている実感があります。もちろん大変な場面もありますが、成長に必要なタスクを任せていただけること、日々適切なフィードバックをいただけることは有難いと感じています。私自身この会社は二社目ですが、前職と比較しても、より大きな裁量を持って働くことができていると感じますね。
具体的にやりがいを感じた瞬間を1つ挙げると、先ほど挙げた大手エネルギー会社のシステム統合プロジェクトです。1年7ヶ月従事し、有識者が少なく手探りで業務をこなしていく場面もあり、大変忙しいプロジェクトでした。その分、システムの本番稼働を迎えられたときは、なんとも感慨深い気持ちになりました。
またその際に、チームのリードやメンバーのサポートを経験できたことも、非常に有意義だったと感じています。
チームをリードするにあたって、どのようなことを意識しましたか?
プロジェクトの全体像や、目の前の業務における各人の役割、タスクを遂行していくために必要な情報を、新規参画メンバーに徹底的に伝えていくことを意識しました。
これは私のバッググラウンドにも関係するのですが、元々金融業界にいたため、ITに関する知識や専門性は非常に少なく、Excelすらも扱うことができない状態でZEINに入社しました。そのような状態からスタートしたこともあり、プロジェクト参画当初は、プロジェクトの全体像や、会話の内容、自分自身の役割を理解できず、「何をやっているのかわからない」という状態に陥っていました。
その後、段階的に業務内容も理解できるようにはなりましたが、その「わからない」という経験から、私は新規にプロジェクトに参画するメンバーには可能な限りインプットを行って、パフォーマンスしやすくなって欲しいという思いがあります。
それゆえ、チームに新しく参画したメンバーには、目の前のタスクをこなすためだけの情報のみならず、プロジェクトの目的と全体像、また自分達の役割がどういう位置づけなのかを説明するようにしています。そのうえで、各人のポテンシャルやスキルも考慮しつつ、その人がどこに疑問を抱いているのか、どこで躓いているのかを把握し、わかるまで説明を行うことで、できるだけ導入しやすいような状況を作ることに努めました。
仕事の失敗談について
仕事で失敗した経験について教えてください。
大手エネルギー会社のプロジェクトにおける失敗についてお話したいと思います。
当時私は、新システムのマスタ整備チームに所属しており、ユーザーから申請されたデータを登録可能な状態にするために、データの変換・加工作業に従事していました。
プロジェクト全体としても佳境に入っており、本番稼働にあたってマスタに必要なデータを登録するために、作業メンバーを多数動員して、人海戦術で山積した大量のデータを処理する運びになっていました。ただ、そのデータの変換手順について、一貫して手順を熟知しているのが私だけといった状況に陥っており、一人でその作業の対応に追われていました。
結果、前段の私のタスクが完了しないため、後段の新規参画メンバーのチームに上手く連携できず、全体作業の遅延を招いてしまいました。当時のプロジェクトマネージャーからは厳しく指導されました。
作業が属人化していたことも問題ですが、プロジェクト全体を俯瞰できていなかったこと、チームメンバーに情報共有ができていなかったこと、本当にできない時に「できない」と声を発せなかったことが反省点だったと考えています。
その失敗をどうリカバリーされたのですか?
その失敗談自体は失敗のままになってしまいましたが、考えるに、本質的にはプロジェクト全体に対する解像度が低かったことが問題だったと思います。そのため、理解を深めるための行動として、質問の仕方を工夫するようにしました。
「私は、ここまで分かっているのですが、ここから先が分かりません」
相手に質問する際、ただ答えを求めるのではなく、自分の理解度を相手に伝えた上で、その答えとの差異を埋めるようにしました。この際の理解度は低くても特に問題ないと思いますが、大事なことは理解度が低いなりに思考して仮説を立てることです。
仮説を立てる利点としては、
・自身の熱量を相手にアピールでき、質問に回答してもらいやすくなる
・答えの範囲を絞った、質の高い回答を引き出せる
が挙げられると思います。
質問される側としても、熟考した質問の方が回答したくなるものです。
逆に「これどうすればいいですか?」「具体的に教えて下さい」といったオープンクエスチョンは、自らの理解度を示さない質問であるため、たとえ回答を引き出せたとしても、次の行動に繋がるような有益な結果にならないと思いますね。
自らの理解度を示したうえで質問することは社会人としての基本ですが、私自身この点が未熟だったので、意識して気を付けることにより、業務理解のスピードが速まったと実感しています。
また、失敗の振り返りとそれの活用は大切ですが、成功したときの振り返りも重要ではないかと考えています。
成功した時に、「なぜ成功したのか」を振り返る方は少ないと思いますが、再現性がある要因なのか、偶然なのか、成功要因を深掘りすることで自分の強みなどを考察できるためです。
失敗と成功の双方を振り返ることで、成長の度合いをさらに高めることができるのではないでしょうか。
ZEINの魅力
これまでの経験から見えた、ZEINの魅力について教えてください。
お客様の求める価値にコミットする、高い意識を持った人が多いところがZEINの魅力です。
ZEINに入社し、その目標に向けて仕事を進めていくなかで、先輩方から色々なご指導やお言葉をかけてもらったことから、私自身の仕事に対する責任感とマインドセットが大きく変化しました。
他にも、ZEINでは大手コンサルファームではなかなか携わることができないようなベンチャー企業等のプロジェクトにも参画でき、様々な業界の最新の専門領域に触れられることで、刺激が得られるところも大きな魅力だと思っています。
先輩方からはどのようなお言葉があったのでしょうか?
印象に残っている言葉が二つあります。
「新人で経験がなくても一人のプロとして仕事を全うすべき。自信を持って業務に携わりなさい。」
「仕事である以上、会社の規模やポジションを問わず、主体的に学びにいくべき。」
いずれも私が上司の前で、「素人目線ではこう思ったんですけど」や「ベンチャーに入ったからには、主体的に行動していかなきゃですね」などと呟いた時に頂いたお言葉です。
前者は、自分が知識や経験的に無力であっても、クライアントからお金を頂いているのだから、責任をもってやり切る覚悟を持つ必要があるということです。たとえ未経験の領域であったとしても、プロジェクトにアサインされた瞬間から、お客様からは価値を提供することが求められます。そんな状況下で「”素人目線”などという言葉をお客様が聞いたらどう思うか考えなさい」とのご指摘を受けました。結局そういう言葉が出てくるのは、責任が降りかかるのが怖いからだと思いますが、言ってしまえば逃げの姿勢ですよね。
全ての仕事に共通することだと思いますが、特にコンサルタントとして高いお金を頂くことの意味は認識すべきだと、自分の中で度々この言葉を熟考しています。
後者は、仕事である以上、主体的に行動することは当然で、それはベンチャーであろうと大手だろうと変わらず、クライアントにコミットする姿勢が大切であるということです。その言葉を体現するように、その先輩は上司からの指示を待つことなく、業務遂行に必要な情報をいち早く収集し業務理解に努め、仕事でも高いパフォーマンスを発揮されていました。こうした方はベンチャー、大手関係なく、どのような環境でも成長し活躍できるのだと感じましたね。
結果、お客様からの信頼を勝ち取られていて、その姿を見たときに自身の考えの浅はかさを痛感しました。それ以来、仕事を進めるうえで、上司から指示されたことだけをやればいいというスタンスではなく、主体的に行動する努力を始め、現在もその最中です。
また、ZEINには妥協しない人が多いです。
当事者意識を持って行動することの大切さは理解していましたが、肌で感じるようになったのはZEINに入社してからです。「ZEINの方々に巡り合えてよかった!」と強く感じています。
皆様に支えられ、ご指導いただけたからこその変化だったと思います。
<執筆/撮影:巽 愛菜>
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