インタビュイー紹介
左:一関 由美子(いちのせき ゆみこ)
千葉大学出身。新卒で保険会社のユーザー系Slerへ入社し、資産運用システムの開発/保守やバッケージシステム導入のリーダーを担当。人材系企業へ転職後、エンジニア向けのキャリアアドバイザーを経験し、新卒のキャリア支援ベンチャーへの転職を経て、人事へ転向。大手人材派遣会社を経て2022年4月にZEINに1人目の人事として参画。双子のママとして子育てに奮闘中。
中央:K.H.
北海道大学大学院修士課程を2022年3月に修了し、新卒でZEINに入社。大学時代は、宇宙物理学や宗教哲学に没頭。主に目に見えない世界の探求を楽しんだ。最近は「幸福に生きるとはどういうことか・どうすればよいか」を考えながら、既存の価値観を超えたコミュニティ創りに勤しむ。
右:M.M.
早稲田大学を2023年3月に卒業し、新卒でZEINに入社。大学時代は茅葺き屋根に関する研究を行っていた。最近はおいしい日本茶を探すことにはまっている。
ZEINの新卒研修
ZEINでは、約3ヶ月かけて新卒研修を実施しています。主な研修内容は次の3つです。
①ビジネス研修(2日間)
②コンサルティング研修(22日間)
③IT研修(34日間)
▼ZEINの新卒研修についての詳しい記事はこちら
自らのキャリアプランを描く、新卒研修 〜内部講師研修編〜
https://recruit.zein.jp/journal/20230724-training/
コンサルティング研修
本記事でお伝えするコンサルティング研修(以下、コンサル研修)では、コンサルタントとしての基礎から応用までを幅広く学びます。
基礎研修では、コンサルタントにとって必要不可欠なロジカルシンキングを培い、基礎的な知識を学習したうえで、演習や宿題を通してスキルを定着させていきます。また、PowerPointやExcelを使った資料作成や議事録作成の方法など、ドキュメンテーションについても学びます。
応用研修では、過去のプロジェクトを基にしたケーススタディを行います。分析・リサーチに基づいたロジックの組み立てから最終的な提案までを行い、コンサルタントとして求められる品質基準を体感します。
コンサル研修の振り返り
仲間との試行錯誤が、大きな経験に。
一関:
研修を受けてみて、率直な感想を教えてください。
M:
ケーススタディが印象的でした。
一つのテーマに対して、チームで試行錯誤しつつ成果物を作っていく作業は、とても楽しかったです。
H:
私も、研修の後半に行ったケーススタディが、特に印象に残っています。
コンサル研修は、前半にロジカルシンキングをはじめとする、コンサルタントとしての基礎的なスキルを学習し、後半はチームに分かれてケーススタディに取り組みました。ケーススタディのテーマは明確な答えやゴールがないものですし、クライアントに納得してもらえるような内容を考えるのは簡単ではありませんでした。
また、チームで取り組むなかで、当然意見が割れることもあり、多くの議論を重ね、最終的にチームとして一つの成果物を提出できたことは大きな経験になりました。
オープンマインドを体現し、遠慮せずに意見を言い合うケーススタディ
一関:
チームはそれぞれどのような雰囲気だったのですか?
M:
私たちのチームは和気あいあいとしていて、終始穏やかな雰囲気だったと思います。言いたいことが言えないということや、激しい意見のぶつかり合いはありませんでした。各々が自分の意見を言い、食い違う部分があっても、冷静に建設的な議論ができたと思います。
H:
私のチームは少し緊張感がありましたね。メンバーそれぞれが考え抜いた意見を遠慮なく言い合い、時には議論が白熱することもありました。しかし、そうすることでかなり深いところまで議論することができましたし、最終的には全員が納得する形に落とし込むことができました。
他のチームからですと、かなり議論がヒートアップしていたように見えたかもしれませんが、メンバー一人ひとりが最終的な成果物に納得感を持てるように最善を尽くした結果だと捉えています。
一関:
チームによって個性があって良いですね!
皆それぞれが遠慮せずに意見を言い合っていたというお話は、会社のカルチャーの一つである「Open Mind」を体現してくれているなと思い、嬉しいです。
ケーススタディには様々な難しさがあると思いますが、取り組むなかで苦労したことや大変だったことはありましたか?
M:
ケーススタディに取り組むにあたって、初めに大まかな作業の流れが記してあるロードマップをもらいます。それに合わせ、およそ2日に1回のペースで作業を振り返るのですが、その度に「今やっていることは本当に正しいのか?」と不安に感じていましたね。
また、ようやく一歩先に進められたと思っても、「本当にこれで合っていたのか?」と思ってしまい、前の段階に戻って考え直してしまうことが多かったです。
このように、進んでは戻るを繰り返し、あまりにも作業が進まないため、一生終わらないのではないかという気持ちにさえなりました。
H:
私たちの場合は、クライアントに対するアプローチ方法に苦労しました。
1つは、課題に取り掛かるにあたり、まず分析やリサーチ作業を行ったのですが、それによって得られた結果がこちらの期待通りのものではなかった点です。私たちのチームは「分析できるところはやり尽くし、データや数値を積極的に活用する」という方針を採りました。しかし、一通りやってみたは良いものの、こちらが期待するようなクライアントに提案しやすい分析結果は得られなかったのです。
これによって新たに生じたもう一つの難題が、クライアントにとって好ましくない情報をどのように伝えるのか、またコンサルタントである私たちはどのような解決策を提示できるのか、という点です。この「クライアントへの見せ方」の部分は非常に苦慮し、ケーススタディ終了後にメンターの方からいただいたフィードバックも厳しいものでした。
一関:
そのような苦労をどのように乗り越えたのですか?
M:
メンターのサポートのおかげで乗り越えることができました。
ケーススタディは各チームに2人ずつ、先輩社員がメンターとして就いています。私たちのチームは、毎日決まった時間にメンターと相談する時間があり、私たちの考えを繰り返し理由を深掘りしてくれました。
その際に、「明確に回答できないところ=もう一度見直した方が良いところだよ」という助言をもらえたことで、手探り状態の中でも本質的な課題に目を向けることができ、作業の軌道修正を図ることができました。
また、一つの切り口のみならず、多角的な視点から進捗を聞いてくれため、悩みを溜め込むことなく作業を進めることができたと思います。
H:
クライアントにとって好ましくない情報であっても誠実に伝えること、そしてきちんとロジックに基づいた解決策を提案することで困難を乗り越えたように思います。
「自分たちが納得できないものでクライアントを納得させることはできない」という思いから、時間が許す限り作業を続け、クライアントへの提案をいかにロジカルに、納得感があるものに仕上げるかにこだわりましたね。
また、難題だった「クライアントへの見せ方」に関しては、メンターに多くのアドバイスをもらいました。
実際に現場で働いていなければ分からないような視点から指摘してもらい、自分たちの提案をより良いものへ改善することができたため、非常に有難かったです。
大切なのは、「クライアント目線」で動くこと
一関:
もしケーススタディをもう一度やるとしたら、次はどのようなことを心掛けますか?
M:
私は、実際に作業に取り掛かる前に大まかな作業の方向性を定めると思います。
研修で作業の手戻りや停滞が発生した理由は、明確なゴールを設けずに何となく作業を進めてしまったためだと考えています。そのため、もう一度やり直せるとしたら、当初の段階でチームの皆と一緒に大まかな作業計画を立て、それから具体的な作業に取り掛かると思います。
H:
私は、よりクライアント目線に立った仕事の進め方をすると思います。
メンターと関わるなかで、先輩方が持つ「クライアント目線」のレベルの高さには常々圧倒されていました。
しかし、実際の研修では、自分たちの作業に手一杯になってしまい、クライアントの視点に立って物事を考えたり、業務の優先順位を工夫したりするといった意識が不十分でした。
そのため、もう一度ケーススタディをやるとしたら、クライアントのことを第一に考えた仕事の進め方をすると思います。
一関:
研修前後でご自身の成長を感じる部分や、心境の変化はありましたか?
また、実際にプロジェクトに配属されてから2ヶ月以上経ちますが、研修で得たことが活きているなと感じる瞬間があれば教えてください。
M:
仕事をする際の目線が変わったと思います。
これまでは、何事も「自分目線」で捉えがちでしたが、研修を通して「クライアント目線」を持つことの重要性を学びました。
まだ十分とはいえませんが、少しずつ身に付いてきたように感じます。
研修で得たことが活きていると感じる瞬間は、業務の見通しが立てられるようになったときですね。
研修以前は、取り組んでいる作業にどれくらい時間がかかるのか、想定することが難しかったです。今では、経験したことであればそれを基に予測することができますし、初めて経験することであっても、業務を細かいタスクに分解しそれぞれに掛かる時間を推定・合算することで、作業全体にかかる大まかな時間を出せるようになりました。
H:
私も、クライアント目線を持てるようになったことが最も大きな変化だと思います。
先輩方と間近で働くようになった今、コンサルタントはどんな状況であれ、常にクライアント第一で動くことが求められる仕事だということを改めて日々痛感しています。先輩方を見習い、自分のプロ意識も同様のレベルまで上げていかなければならないと思いますね。
また、納期やスケジュール管理のノウハウを得たことも自身の成長に繋がりました。
実際の業務でスケジュールを引いた際に、研修で得たことが活きているなと感じました。まだ完璧ではありませんが、研修中に学んだからこそ、何とか対処できているのだと思います。
今後の抱負
1年後、目指すはアナリストからコンサルタントへの昇格
一関:
最後に、今後の抱負について伺いたいと思います。まずは、1年間の目標を教えてください。
M:
会社が定めているものと同様に、アナリストからコンサルタントに上がることが1年間の目標です。
以前、代表の志賀野さんから、「アナリストの段階は先輩からの指示をしっかり遂行できるようになることが重要だ」というお話を伺いました。そのお言葉通り、1年目は先輩から割り振られた仕事に責任を持って取り組み、期限内に終わらせることを徹底していきたいです。
H:
私も、アナリストからコンサルタントへの昇格を1年間の目標に掲げています。
まずはプロジェクトチームの雰囲気に馴染みつつ、同じミスを繰り返さないことや、メモを取って指示を忘れないようにすることなどを心掛けていきたいです。
新卒社員が目指す「理想のビジネスパーソン」とは
一関:
最後に長期的な目標について伺いますが、将来的にどのようなビジネスパーソンを目指していますか?
M:
私は「決断できる人」になりたいです。
今は、分からないことや不安なことがあれば先輩に聞き、人に頼ることが多いです。しかし、時間が経てば、誰かに聞くのではなく、自分で決めなければならない場面が増えてくると思います。
決めるべきところでしっかり決めることができれば、周りから信頼されるようにもなると思うので、「決断できる人」になることが私の将来的な目標です。
H:
私は、ITの力を使いながら「働くこと」を新しい形に、そしてより幸せな方向に変革する一助になりたいと考えています。
昨今はVUCA時代と言われるように、世界中で色々な動きがあり、ITやAIも飛躍的な発展を遂げています。私たちの生活においても必要不可欠になるITを使い、急速に変化する世の中の流れに合わせ、社会をより良い方向へ変えていく一翼を担えるように一歩一歩研鑽していきたいと思います。
一関:
どちらもお二人らしい目標だなと思いました!
遠い未来から見れば小さなことでも、一歩一歩着実に進んでいってほしいと思います。
これからのお二人のご活躍を心より期待しています。本日はありがとうございました!
M/H:
ありがとうございました!
<執筆/撮影:渡辺 藍>
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