「挫折経験って、結局何を伝えればいいの?」
「自分が挫折した経験なんて話したくない」
こんな悩みを持つ就活生も少なくないのではないでしょうか。今回は、挫折経験をうまく伝えたい!という就活生に向けて、「挫折経験を聞く意図と効果的な伝え方」をテーマにお送りしていきます!
Chapter.1 挫折経験を聞く意図とは?
まず、そもそも企業はなぜ就活生に挫折経験を聞くのでしょうか?
挫折経験を聞く意図は、企業の人事が就活生に対して5つの要素を備えているかどうかを知りたいからです。
1. 高い目標を設定して、それに向かって努力できる人かどうか
挫折経験があるということは、何か目標に向かって努力をしていく中で、途中で失敗をしてしまったということになります。
つまり、挫折経験をしっかりと話せる人=目標に向かって努力することができる人ということです。
企業は高い目標を設定し努力することができる人を求めているため、このような質問をするわけです。
2. 失敗した時のストレス耐性があるかどうか
挫折から立ち直れるだけの精神力(=ストレス耐性)があるかどうかは、働く上で重要な要素です。
例えば、挫折から立ち直ろうとする時に、
・精神的な回復力があるか
・周囲の人たちに助けを求めることができるか
・苦しくても挫折したことから目を背けずに向かい合っていけるか
企業は質問を通して、これらのストレス耐性を持った人かどうか知ろうとしているわけです。
3. 挫折した原因をしっかりと分析できる人かどうか
挫折した理由・原因を分析せず「仕方ない、次頑張ろう!」という考えでは、一向に改善されません。同じ挫折を2度繰り返さないように、何が原因で失敗をしたのかしっかりと分析することが重要です。
企業は質問を通して、入社してから、何か失敗や困難にぶつかった時に、しっかりと原因を分析して改善に繋げることができる人かどうか知ろうとしているわけです。
4. 挫折原因を分析して終わりではなく、実際にどうアクションを起こしたか
これも3つ目の理由と近いところではありますが、挫折した事実を受け止め、それを改善することができる人は会社に入ってからも重宝されます。
企業は質問を通して、「次は頑張ろう!」という意気込み・精神力だけでなく、実際に改善アクションベースに落とし込める人かどうかを知ろうとしているわけです。
5. 挫折から学び、その経験を次に生かすことができる人かどうか
挫折経験ではただ単に「〇〇という目標を掲げて努力したが、結果失敗してしまった。」という失敗体験ではなく、そこから、どのような学びがあり、それを次にどう生かすことができるのかが重要です。
企業は質問を通して、実際に入社してから、挫折をしてもそこから学習し次に生かしていける人であるかどうか知ろうとしているわけです。
Chapter.2 挫折経験の伝え方
ここからは「挫折経験の効果的な伝え方」について説明していきます。
挫折経験は、以下の流れに沿って伝えるのが効果的です。
① 目標設定
これはChapter.1でいう「1.高い目標を設定して、それに向かって努力できる人かどうか」にあたります。
まず、どのような目標を設定し取り組んだのかを説明しましょう。説明するにあたって、目標を設定するにあたった背景を伝えることで、その後のエピソードを具体的にイメージしてもらいやすくなります。
② 現実・結果
これはChapter.1でいう「2.失敗した時のストレス耐性があるかどうか」にあたります。
目標に向かって取り組む中で、結果としてどのような挫折をしたのかを説明しましょう。しかし、ただの失敗したという事実だけではなく、その結果をどのように捉え、次の原因分析に繋げることができたのかを説明することが重要です。
ここでストレス耐性や人間性をアピールすることで、あなた自身が逆境においてどのように対応していけるのかをイメージしてもらうことができます。
③ 原因分析
これはChaper.1でいう「3.挫折した原因をしっかりと分析できる人かどうか」にあたります。
挫折したという事実から、その原因をしっかりと分析し、何が原因で挫折をしてしまったのかという自分なりの原因分析の結果を説明しましょう。Chapter.1でも説明した通り、社会人になってからもこの分析力は重宝される能力です。
この原因分析がしっかりとされていなければ、その後の改善アクションの説得力がなくなるので気をつけましょう。
④ 改善アクション
これはChapter.1でいう「4.挫折原因を分析して終わりではなく、実際にどうアクションを起こしたか」にあたります。
③の原因分析の結果から、それを踏まえてどのような改善アクションを起こしたのか、アクションを起こした結果を伝えましょう。改善の結果、成功したという経験であればより良いですが、ここで再び失敗をしたとしても問題ありません。
再び原因分析に立ち戻り、次はどのような改善をしたのか、というように繋げていきましょう。
⑤ 学び・気付き
これはChapter.1でいう「5.挫折から学び、その経験を次に生かすことができる人かどうか」にあたります。
Chapter.1でも説明しましたが、挫折経験ではただの挫折した事実ではなく、そこからどのような学びがあり、それをどう生かすことができるのかを伝えることが重要です。
①目標設定〜④改善アクションまでの一連の挫折経験であなた自身が何を学んだのか、またその学びを入社してからどのように生かしていけるのかを説明することで、成長力の高さをアピールすることができます。
Chapter.3 挫折経験の回答例
以上を踏まえて、例文をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください!
※ Chapter.2の要素と関連する文章に番号を付けてあります。
例:高校時代の部活動での挫折経験
私の挫折は、高校の部活動でキャプテンとして務めていた時に経験したものです。都大会出場という目標に向けて取り組んでいましたが、チームには練習量に対して戦績が伴わないといった課題がありました。(①)
私はチームを勝たせることに責任を感じ、戦績を上げるための施策として、半ば強引に練習量を増やしましたが、その結果、練習方針で部員と対立しました。何をやっても上手くいかない状況に挫折しそうになりましたが、チームとして掲げる目標を達成するためにも、キャプテンとして責任を持ってこの課題に取り組む必要があると感じました。(②)
もう一度、チームを立て直すために、対立の原因は何だったのかを分析すると、
・試合に負ける要因の分析
・チーム内で意見を交わし合う場
以上の点が欠けていることがわかりました。(③)
分析した結果から、負ける要因を試合映像から分析し、それを改善するための練習内容について話し合う場を月に二度設けました。話し合いでは、すれ違っている部分や共通している部分に焦点を当てて整理し、意見が対立した際には第三者的立場から意見の橋渡しを行いました。その結果、チームとして何を意識して取り組むべきかを全員が理解している状態で練習方針を決めることができ、戦績の向上にも繋がりました。(④)
この経験から、私は調整力が自身の強みであると考えます。仕事を進める上で様々な意見・価値観を持った人と接すると思いますが、強みである調整力を生かし、会社としてより良い方向に進めるよう貢献していきたいと思います。(⑤)
今回は、「挫折経験を聞く意図と効果的な伝え方」をテーマにお送りしました。
挫折経験の効果的に伝えることができれば、自身の強みをアピールすることができるので、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください!皆さまの就活がうまくいくことを願っております。
<執筆:濱岡 聖朗>
※本記事掲載の情報は、公開時点のものです。