「なお、こちらは選考とは関係ありません。」
この言葉を聞いて、「関係ないなら適当でいいや!」と思っていませんか?
その考えは危険です。そのような場合でも油断をせず、どう受け止めればよいのかについて解説いたします。
Chapter.1 本当に選考とは無関係?
まず、どんな場面で「選考とは関係ありません」と言われることが多いでしょうか?
① 企業から「選考とは別で、カジュアル面談※に進んでください」という主旨のメールが来た時
※カジュアル面談:就活生に近い立場の社員が出席して、ざっくばらんに仕事の説明や普段の選考では聞きづらいことを聞く面談。一般的に、選考とは少し異なる位置づけにある
② OBOG訪問の案内が来た時
③ 面接の中で一見選考とは関係なさそうな質問をされた時
これらの場合、選考と全くの無関係ではないと考えることをお勧めします。
そもそも忙しい人事部が、選考と関係ないことをする暇はないはずです。では、なぜ採用担当者は「選考に関係ありません」と言うのでしょうか?
それは、緊張感をほぐし、できるだけ素の状態の回答を引き出すためです。
就活の際は自分をよく見せたいという意識が働きます。そのため、就活生の緊張を解き「素の状態の回答」を引き出そうとしているわけです。
Chapter.2 評価がマイナスになるケース
無関係だと思い油断すると、どんなミスが起こり得るでしょうか。様々なケースを想定してみましょう。
=== Case. 1 カジュアル面談 ===
① 遅刻
② 服装が明らかにビジネスマナーに反している
③ 敬語を使わない
このようにビジネスマナー上の失礼があると、いくら「選考とは関係ない」とは言っていても、一緒に働く上で不安があると判断されてしまいます。選考に関係ないとはいえ、人事部の中で事実が共有され、評価がマイナスになる可能性があります。
=== Case. 2 面接の質問 ===
「これは選考と関係ない質問ですが、現時点で他に選考中の企業はありますか?」
「選考と全く関係ないですが、転職などを考えていますか?」
これらに対し正解のテンプレは存在しませんが、選考結果を出すための判断材料となっていることを把握した方が良いでしょう。過剰に取り繕いすぎる必要はありませんが、「3年以内に転職をする予定です」などと正直に答えてしまうと、マイナス評価に繋がる可能性がありますので、見極めが必要です。
=== Case. 3 午前中のOBOG訪問 ===
「これは選考に関係ないので、良かったらこのままランチでもいかがですか?」
ランチ時の態度として、
①明らかにつまらさそう(例:会話を盛り上げる気がない)
②敬語が使えない
③礼儀や気遣いがない(例:異常に食べるのが遅い・断りなく自分だけさっさと食べ始める)
④失礼な発言をとる(例:「ぶっちゃけあんまりおもしろい会社じゃないですよね 笑」)
⑤店員に横柄な態度をとる
これらはCase.1と同様に、働く上での不安があるとみなされてしまいます。
「選考に関係ない」と言われても油断せずに、選考過程のつもりで気を配りましょう!
Chapter.3 「選考とは関係ない」を利用しよう
ここまで、ネガティブなケースを挙げてきましたが、逆にポジティブに考えてみましょう。
=== Case. 1 カジュアル面談 ===
①服装や身だしなみに気を配れている
②事前に業界研究を行っている
③高い入社意欲を示すことができている
④正しく敬語が使えている
⑤的確で合理的な質問ができている
⑥終わった後にお礼メールを送る
=== Case. 3 午前中のOBOG訪問 ===
①楽しく会話ができている
②正しく敬語が使えている
③礼儀や気遣いが完璧
④相手への敬意を示せている
⑤誰に対しても丁寧な対応ができている
これらをアピールできた場合、人事内で高評価の結果が共有されることになります。(※Case. 2は企業によって解釈が異なるため割愛します。)周囲の参加者が特に意識をしていない中で、
この事情を理解している人は、アピールの場として上手に利用することができます。
ぜひ油断せず、アピールの場として最大限に活用していきましょう。
皆さんの就活が少しでも上手くいくことを願っております!
<執筆:濱岡 聖朗>
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