Q:「日本にポストは何基ありますか?」
これは、あるコンサルティングファームの面接で出題され、話題になった問題です。
みなさんはこんな質問をされたら、答えることはできますか?
一見すると不可能に思えるようですが、実は考え方さえ身に付ければ簡単に解くことができます。
さて、そこで今回はフェルミ推定を解く上で基本となる4つのパターンを紹介したいと思います。
フェルミ推定は、コンサル志望の就活生なら絶対に抑えておきたいので、この機会にぜひ勉強してみてください。
パターン①:所有ベースで求める
市場規模(年間) = 母数 × 平均所有率 × 1人あたりの平均保有数 × 単価 ÷ 買い替え頻度(年)
パターン①は基本的に、長年利用する消費財に適しています。
例としては、以下が挙げられます。
・エアコン
・スマートフォン
・自動車
スマートフォンを例にとって、日本の市場規模を推定してみましょう。
推定式に仮の値を入れてみるとこのような結果になりました。
1億2000万(日本の人口) × 70(%) × 1.2(台) × 5万(円) ÷ 2(年) = 2兆5200億円
パターン②:存在ベースで求める
市場規模(年間) = 母数 × 平均設置率 × 設置数 × 単価 ÷ 耐用年数(年)
パターン②は基本的に、ある場所に長年設置される物に適しています。
例としては、以下が挙げられます。
・郵便ポスト
・すべり台
・マンホール
公園にあるすべり台を例にとって、市場規模を推定してみましょう。
推定式に仮の値を入れてみるとこのような結果になりました。
10万(公園数) × 80(%) × 1.2(台) × 50万(円) ÷ 5(年) = 96億円
パターン③:供給ベースで求める
市場規模(年間) = 母数 × 平均設置率 × 設置数 × 単価 ÷ 耐用年数(年)
【用語解説】
キャパシティ
→収容人数のこと。
稼働率
→店舗がキャパシティに対してどのくらい埋まっているかを表す指標。例えば、10席ある店が5席埋まっていたら稼働率は50%となる。
回転率
→1時間あたり何人が利用したかを表す指標。例えば、30分で客が入れ替わるとしたら回転率は2となる。
パターン③は基本的に、店舗型サービスに適しています。
例としては、以下が挙げられます。
・ラーメン屋
・コーヒーチェーン
・遊園地
ラーメン屋1店舗を例にとって、売上を推定してみましょう。
推定式に仮の値を入れてみるとこのような結果になりました。
20(席) × 60(%) × 2(回転) × 10(時間) × 800(円) × 365(日) = 7008万円
パターン④:需要ベースで求める
市場規模(年間) = 母数 × 購入率 × 購入数(年) × 単価
パターン④は基本的に、普段よく使う消費財に適しています。
例としては、以下が挙げられます。
・オレンジジュース
・割り箸
・箱ティッシュ
2Lペットボトルのオレンジジュースを例にとって、市場規模を推定してみましょう。
推定式に仮の値を入れてみるとこのような結果になりました。
5000万(世帯) × 50(%) × 18(本) × 180(円) = 810億円
ここで一旦、話を冒頭に戻します。
Q:「日本にポストは何基ありますか?」
いかがでしょう。
最初は不可能だと思われた問題も、考え方さえ身に付ければ解ける気がしてきませんか?
また、ここで紹介した解法はあくまで基礎的なものです。本気でフェルミ推定を突き詰めていくとなると、さらに細かい分解やセグメンテーションが必要となります。
とはいえ、まずは基礎から土台をしっかりと作ることが大切です。
今回の考え方を基に、ぜひ自分でも問題に挑戦してみてください!
<執筆:渡辺 藍>
※本記事掲載の情報は、公開時点のものです。