インタビュイー紹介

桐谷 平康(きりや ただやす)
2010年に早稲田大学法学部を卒業。新卒で日本ユニシスという商社系SIerに入社し、3年ほどインフラエンジニアとして働いたのち、EYアドバイザリー(現:EYストラテジー・アンド・コンサルティング)に転職。インフラ領域のコンサルタントとして経験を積み、2018年1月からZEINに参画。今回紹介するBoxを担当している。
オンラインストレージサービスとは
オンラインストレージとは、インターネット上にデータを保管するサービスです。
このサービスを利用することで、USBなどのデータ保存媒体を用意しなくても、インターネットに接続できる環境があれば、データの保管を行うことができます。そのため、デバイスや場所を問わずにデータの閲覧・編集が可能となります。代表的なサービスとして、Microsoftの「OneDrive」、Googleの「Google Drive」、Appleの「iCloud」、Amazonの「Amazon Drive」などが挙げられます。
オンラインストレージサービスが注目されている背景には、新型コロナウイルスの影響で世界的にリモートワークが推奨されるようになったことが関連しています。従来は、社内にデータを保管するサーバーを持っていて、社員は社内のネットワークを介してデータの保存・共有を行うのが一般的でした。しかし、この社内ファイルサーバーは、社内のネットワーク環境に接続していなければ、データのやり取りができません。
一方、オンラインストレージサービスはインターネット上にデータを保存するため、場所を問わずにデータの保存・共有ができます。したがって、オンラインストレージサービスを利用することで、リモートでの作業が可能となるため、現在世界中で需要が高まっているのです。
Boxのメリット
Boxは、顧客企業数97,000以上と世界トップシェアを誇る法人向けオンラインストレージサービスです。
なぜBoxが世界中で注目を集めているのか、メリットを紹介していきます。

①ストレージ容量が無制限
従来の社内ファイルサーバーは容量制限があるため、社員は定期的にファイルを整理する必要がありました。社内ファイルサーバーを利用する多くの企業が、このようなサーバーの容量による悩みを抱えているようです。一方で、Boxは容量が無制限であるため、ファイルを整理する必要がなく、無駄な作業をなくすことができます。そのため、デジタル化とともに業務で使用するデータが増加しても、容量制限に縛られずに作業することが可能となります。
②セキュリティの高さ
データの保管や共有を行うにあたって、最も懸念されるのがセキュリティ問題です。従来は、特定のネットワーク環境やPCを用いることでセキュリティ対策を行っていました。Boxは以下の機能を備えており、セキュリティが高い点が魅力です。
・利用者毎のアクセス制限
7段階のアクセス権を利用者に設定できるため、データの編集ができる人、データの閲覧だけできる人など利用者の役割に応じてアクセスを制限することができます。
・アクセスログ、利用ログ機能
誰がどのデータを閲覧したのか、ダウンロードしたのかが全て記録されています。そのため、管理者はログをもとに不正なアクセスが無いかを監視することができます。
・セキュリティソフトとの連携
Boxはウイルスバスター※などのセキュリティソフトと連携できるため、Box上にアップロードされたデータがウイルスに感染していても、感染が広がることはありません。
・国際的なコンプライアンス/セキュリティ規格に準拠
ISO 27001、ISO 27018などの国際的なコンプライアンス/セキュリティ規格に準拠しているため、アメリカ政府機関でも利用されています。
※ウイルスバスター:未知のランサムウェアやネット詐欺を検知してブロックし、暗号化されたファイルを復元するセキュリティソフトのこと。

③さまざまなアプリケーションとの連携
Boxは1400種類以上のあらゆるアプリケーションと連携して利用できるため、業務効率の向上が期待できます。
・Office 365と連携
PowerPointやExcelなどのファイルをダウンロードすることなく編集が可能となります。ダウンロードする手間も省け、端末にファイルを残し忘れる心配もなくなるため安心です。
・複合機などのオフィス機器
社外の取引先からFAXで届いた注文書や書類のスキャンデータが自動的にBoxにアップロードされるため、社内にいなくてもすぐにデータを確認することができます。
・業務システム
業務で使用するシステムのデータを自動的にBox上に保管することができるため、権限に応じたデータ管理を実現することができます。

④その他
・ファイル共有時の自動メール通知
・共有者に対するタスク設定
・専用アプリがなくても120以上の拡張子ファイルを参照可能
・ファイルへのコメント機能
・バージョン管理機能
このような機能が充実していると作業効率の向上が期待できます。
Boxの導入事例
Boxは実際にどのように利用されているのか導入事例を2つご紹介します。
①学校法人:教育機関の可能性の拡大をBoxで実現
・研究で必要な特殊データファイル形式にも対応
学術論文作成に用いる「.tex」や、シミュレーション計算で用いる「.log」などにも対応しており、ダウンロードできるファイルの幅が広がります。
・秘匿性の高い研究データも安全に保管
研究データは秘匿性が高いため、データの管理に注意が必要です。Boxの高いセキュリティ機能により、安全に保管・共有が可能となります。
・学校のグローバル化に貢献
Boxは海外での導入事例も多いため、海外の研究者とも情報共有が可能となります。
・スマホ用アプリの利用で場所や時間を問わない作業
Boxのプレビュー機能により、アップロードされた動画のストリーミング再生や、レジュメなどのファイルの閲覧が可能となります。スマホ用のアプリを用いることで、PCがなくても閲覧できるため、場所や時間を問わない作業が可能となり、学生側にも大きなメリットをもたらします。
②地方自治体:働き方改革の一環としてDXの推進に寄与
・高いセキュリティによるデータの管理
自治体の特性上セキュリティ観点で実現が難しかった、社外からのデータアクセスをBoxの高いセキュリティ機能により安全にデータを保管することが可能となります。
・作業効率の向上
社内での共同作業にあたって、タスク管理機能やコメント機能を使うことで作業効率の向上が期待できます。
・災害被害への対応の迅速化
災害時の県下の被害状況を、現場で撮影してすぐにBoxにアップロードすることで、災害被害への迅速な対応が可能となります。

ZEINがBoxを使って叶えたい未来
Boxを単なるクラウドストレージで終わらせず、Boxを業務の中心としたデータの一元化を実現するなど、ZEINにしか提供できない価値を創出していきたいと考えています。我々はコンサルティング会社なのでBoxのライセンスを販売することがゴールではありません。Boxを導入することで、クライアント企業の課題を解決し、企業成長を促していかなければなりません。
ビジネスや働き方の変化が強く求められている中で、これまでの業務で培ったコンサルティング力や、プロダクトとのコラボレーションを活かしてZEINならではのサービスを作り上げていきます。
<執筆:渡部 真子>
※本記事掲載の情報は、公開時点のものです。