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【練習問題付き】コンサル必須スキル「MECEに考える力」とは

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この記事で分かること

・MECEとは何か
・なぜ「MECEに考える力」がコンサルタントに必須なのか
・練習問題

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今回の記事は、コンサルタントに必須のMECEに考える力についてです。

「MECEって何?」
「なんでコンサルタントにMECEが必須なの?」

という疑問にお答えしていこうかと思います。

さらに、記事の最後には練習問題も付いているので、ぜひ自分の力を試してみてくださいね!

ではさっそく内容に入っていきましょう。

MECE(ミーシー)ってなに?

MECEとは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、ざっくりと言うと「モレなく、ダブりなく」という意味です。

つまり、何か抜けている要素や被っている要素がなければ、それはMECEであると言うことができます。イメージとしては以下の図の④に当たるものがMECEです。

逆に、MECEではないケースを「学生」を例に取って考えてみましょう。

あまりMECEに考えるのが得意ではないA君は「学生」「小学生」「中学生」「高校生」「受験生」に分類しました。みなさん、これではMECEでないことにお気付きでしょうか?

まず「大学生」という要素にモレがありますよね。また、「受験生」と「小学生」「中学生」「高校生」はダブっています。

つまり、この分類の仕方だと上の図②の状態になっています。イメージとしては、以下の図のような感じです。

このように図にしてみると「どこが抜けているのか」「どこが被っているのか」が可視化され、考えを整理することができます。そのため、ただアイデアを思いつきで出すのではなく、図や表に書き出しながら自分の思考を整理すると、モレやダブりがなくMECEに物事を考えることができます。

【Point】MECEとは「モレやダブりがない状態」のこと。図や表を用いると考えが整理されるのでおすすめ。

なぜコンサルにMECEが必須なの?

では、なぜコンサルタントにMECEに考える力が必須なのでしょうか?

そもそも、コンサルタントとは、一言でいうと抽象的な問題に対して解決策を提示する仕事です。そのため「まず問題の原因がどこにあるのか」を特定することが、解決策を提示する前のステップとしてあります。

この問題の特定にとりわけMECEに考える力が必要となってきます。

例として、ある地域の温泉旅館の売上が低迷しているという問題を考えてみましょう。

この問題に対して「原因は旅館のサービスが悪いからだ!」と安易に決めつけてはいけません。

簡単に自分の視点から解説すると、原因としては、まず大きく外部要因と内部要因の2つに分けて考えることができます。そして、外部要因の中には「レジャーの需要が減少している」「地域自体の魅力がなくなってきている」etc…などがあり、内部要因の中には「従業員の接客態度が悪い」「旅館の食事が美味しくない」etc…などがあります。

このように考えられる要因をモレやダブりなく洗い出すことで、やっと原因の特定および解決策の提示に繋げることができます。

以上の例のように、コンサルタントは正解がなく抽象的な問題に対して向き合うことが日常茶飯事です。故に、MECEに物事を考えるという力は他の職業よりもさらに必要とされます。

【Point】コンサルタントは抽象的な難しい問題に取り組む職業である故、特にMECEに考える力が要求される。

「MECEに考える」練習問題

さて、MECEについてざっくり理解ができたところで、練習問題を2問ほど出したいと思います。この問題が解ければ基礎的な考え方はマスターできていると思うので、頑張って取り組んでみてください!

問題①

以下の分類はMECEになっていますか?MECEでなければ直してみましょう。

(全体:通勤手段)電車、自転車、公共交通機関、徒歩

問題②

日本に存在する大学を、MECEに分類してみましょう。(答えは1つではありません)

ここから先は解答になります!

まだ解いていない人は絶対に見ないでくださいね

解答①

結論からいうと、問題の分類ではMECEではありません。なぜなら「公共交通機関」と「電車」がダブっているからです。

例として通勤手段をMECEに表すと、以下のようになります。

公共交通機関の中の1つに電車が含まれているので、公共交通機関と電車を並列にしているのは、ダブりがある状態です。さらに言うと「自動車」や「タクシー」などの通勤手段にモレがあることも分かるかと思います。

解答②

先に言っておくと、日本に存在する大学をMECEに考えるにあたって、答えは1つではありません。分類の切り口が実はいくつも存在する、というケースは多々あります。

ということで、今回は2パターンの解答例を示します。

まず1つめに、大学は都道府県別に分けることができます。この分類だと全国の大学を網羅できているのでモレはありませんし、同じ大学が2回以上カウントされることもないので、ダブりもありません。

そして2つめに、「国公立」「私立」かで分ける考え方があります。これだけだと簡単すぎるので、さらにそれぞれを大学群ごとに分解してみました。「その他」の括りはざっくりとしていますが、これもモレやダブりがないMECEな状態です。

他にも色々な切り口がありますし、以上2つの例はもっと細かく分解することができます。さらに理解を深めるためにも、自分で試してみるといいでしょう。


MECEについての基礎は理解できたでしょうか?

コンサルタントには、MECEに考える力が要求されます。コンサルタントを志望するならば、日頃から物事をMECEに考える訓練をするといいのではないでしょうか。

<執筆:濱岡 聖朗>
※本記事掲載の情報は、公開時点のものです。