自らのキャリアプランを描く、新卒研修 〜内部講師研修編〜

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この記事で分かること

・新卒研修の目的
・研修内容
・新卒研修のゴール

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プロフィール:薄井 寿幸(うすい ひさゆき)

横浜国立大学経営学部卒業後、3年間フリーターを経験したのちに、会計系→IT系→外資系コンサルティングファームを経てZEINに参画。趣味は洋服を買うことと子どもと遊ぶことで、料理が得意。毎週末買い物をして料理をする素敵なお父さん。

自分の市場価値を高め、成長する

新卒研修を行う目的について教えてください。

新卒研修を行う目的は4点あります。

1点目は、キャリアプランの形成です。
新卒の段階でキャリアプランを意識することは非常に難しいと思います。しかし、目標とする将来像に向けて、積んでおきたい経験やスキルを逆算して考えることで、自分の意志でキャリアプランを決める力を養うことができます。

2点目は、ZEINが求める人材像である、マルチプルエンジニアへの理解です。
マルチプルエンジニアとは、エンジニアリングスキルとコンサルティングスキルを併せ持つプロフェッショナル人材を指します。
マルチプルエンジニアを目指す上で、どういったスキルが求められ、現状の自分に足りない能力は何なのか、研修の中で理解してもらうことを目的の一つとしています。

3点目は、チームワークの醸成です。 
プロジェクトは基本的にチームで推進します。そのため、チームで業務を行うことに対しての意義を理解して欲しいです。また、新卒という一度きりの機会で同期同士の繋がりを深めてほしいという想いがあります。

4点目は、プロジェクトに入る前の心身の準備です。
コンサルタントは、クライアントから高い報酬をいただいてサービスを提供しているため、その価値に見合うだけの成果が求められます。したがって、研修では最低限のベーススキルと心構えを知り、コンサルタントとしての素養を培います。

ZEINの新卒研修は「学び」が全て

新卒研修の内容について教えてください。

新卒研修では、主に次の3つの内容を約3ヶ月かけて行います。

①ビジネス基礎研修
2日間のビジネス基礎研修では、外部講師を招き、基本的なビジネスマナーやマインド等を学びます。

②コンサルティング研修
22日間のコンサルティング研修では、コンサルタントとしての基礎から応用までを幅広く学んでいきます。

基礎研修では、コンサルタントにとって必要不可欠なロジカルシンキングを培います。
まずベースとなる知識を教えたうえで、演習や宿題を実際に解くことによってスキルを定着させていきます。また、PowerPointやExcelを使った資料作成、議事録作成など、ドキュメンテーションについても学びます。

応用研修に入ると、過去にあったプロジェクトをベースにデータを分析し、チームごとに提案を行うケーススタディを行います。難易度は非常に高いですが、自分たちなりのロジックを組み立て、そのロジックをアウトプットし、最終的に提案することで、コンサルタントとして求められる品質基準を体感することができます。

③IT研修
34日間のIT研修は、コンサルティング研修同様、基礎研修と応用研修に分かれています。

基礎研修は座学中心で、実際のプロジェクトの進め方を意識して、基礎的な知識や業務フロー、設計方法を学びます。一方、応用研修では実践的な内容になっており、4~5人のチームに分かれ、Javaを用いた簡単なシステムを開発します。ここでは、それぞれが開発した機能が一つのシステムとして動くかどうかを検証します。

※Java:Webサービス、業務系システムなど、さまざまな分野の開発に用いられるプログラミング言語のこと

新卒研修に関わる社員は何名でしょうか?

研修全体を通し、14名の社員が関わっています。特徴としては、研修の講師を若手社員が担っているという点ですかね。

研修内容の企画や資料作成等を行うコンサル研修には6名の社員が携わっています。昨年まではマネージャー以上の社員が講師を担当していましたが、今年からは若手社員が担当するようになりました。
IT研修も同様に、8名の社員が携わっていますが、若手社員が基本的には講師を担当しています。

若手社員を研修に起用している理由はなんでしょうか?

近い年次の社員が担当することで、新卒社員が将来像を想像しやすいようにするためです。

自分たちも2、3年後には同じようなレベル感が求められるということを研修の段階で理解してもらうと同時に、若手社員の成長の機会に繋げることができると考えました。

素直に受け止め、成長してほしい

新卒研修のゴールについて教えてください。

研修のゴールは、

①プロジェクトに貢献できる最低限のスキルを身につけること
②自身の価値を高める意識を持つこと

の2つです。①はクライアントから見ると若手もベテランも関係ないため、プロとしての自覚を持ち、コンサルタントとしての基礎的なスキルを身につけてほしいからです。②は、コンサルタントとしてクライアントに貢献した成果が、最終的に会社の売上に繋がります。そのためには、知らないかったことを習得し、学ぶ機会を与えられるだけではなく、自分から学ぶことが非常に大切です。

会社として新卒に身につけてほしいと思うものは何でしょうか。

「考える力」を身につけてほしいです。
コンサルタントは与えられた状況で情報をインプットし、自分で考え、最高品質のものをクライアントに提供することが求められます。もちろん、そのために必要なことは研修の中で教えていますが、最初から全てできるようになることは難しいです。
誰かに指摘された時に「そういう意見もあるんだな」と素直に受け止められる人は吸収力が高く、成長も早いと思います。できないとしても考え方を素直に受け止め、徐々に体得してほしいですね。

ZEIN JOURNALをご覧の皆さまへ。

学ぶ習慣を身につけつつ、今しかできないことを全力でやってほしいです。
学生は社会人よりも時間がありますし、社会人になって何かを学ぼうと思うと、働く時間以外で勉強する必要があります。時間がある今だからこそ、じっくり学びたいこと、やってみたいことなど、今しかできない経験を思いきり楽しみ、悔いのない学生生活を送って欲しいです。

<執筆/撮影:星野 日菜>
※本記事掲載の情報は、公開時点のものです。