【ジョブ対策必見】コンサルタントが行う「調査・リサーチ」とは?徹底解説します!

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この記事で分かること

・コンサルタントが行う「調査・リサーチ」とは
・仮説構築とは
・精度の高い仮説に辿り着くためのコツ

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インタビュイー紹介

Y. K.
慶應義塾大学法学部出身。新卒で大手ISPに就職し、金融システムの開発から運用まで、プロジェクトマネージャーとして従事。3年目に外資系生命保険会社へ転職し、後に国内戦略系コンサルティングファームへ転職。その後、スタートアップにて飲食店向けのBPO事業の立ち上げに参画した後、ZEINに入社。美味しいお酒と食べ物、子供たちと遊ぶことが大好きな二児の父。

迅速に仮説を組み立てる

調査やリサーチでは、具体的にどのようなことを行っていますか?

「調査・リサーチ」は単なる情報収集のことではなく、ビジネスの意思決定のためのロジックを支える、ファクトを抽出する行為を指します。また、大きく「仮説構築」「情報収集」の2つに分かれているものの、必ずしも一方通行に進むものではありません。実際には、情報収集→仮説構築→情報収集→仮説構築の試行錯誤を繰り返しながら、アウトプットを導き出します。
そして、調査・リサーチの中で特に重要なのが「仮説構築」のフェーズです。

「仮説構築」とは何ですか?

仮説構築とは、限られた情報から最も可能性の高い結論を「具体的な結論=仮説」として設定することです。仮説は確固たる証拠が示されている必要があり、それを検証するためにロジックツリー※1やピラミッドストラクチャー※2などで考えを整理します。

※1 ロジックツリー:ある事柄に対して問題や原因など、その事柄を構成している要素をツリー状に書き出すことで、解決法を導き出すフレームワーク

※2 ピラミッドストラクチャー:伝えたい「結論」と「その根拠」をピラミッド状に図式化するフレームワーク

仮説構築は、①論点の明確化、②仮説立案、③必要な情報の洗い出しの3ステップを踏みます。その後、収集した情報から仮説を検証し、再び仮説構築をすることで、論点や仮説の精度を高めていきます。

仮説構築を行う際のポイントを教えてください。

仮説構築を行う際のポイントは、論点となっている事象に対して、先に「具体的な結論=仮説」を導き出すことです。なぜならば、ある程度早い段階で仮説を決めておかなければ、後に続く論理が破綻してしまうためです。考え方としては、先に伝えたいこと、すなわち「具体的な結論=仮説」を設定してから、最小限の調査で効率良く情報を集め、仮説の検証・修正を繰り返し、論理的な結論を導くことが重要になります。

分析を行ううえで陥りがちなのが、「何を調べたら良いのかわからない状態」です。また、調べていくうちに仮説を反証するデータが出てくる場合は、ロジックの組み替えをすることも必要となります。情報収集は簡単にできるものではないため、論点に対して全く検討がつかない状況に陥ってしまうときもあります。

そのような「全く見当がつかない状況」に陥ってしまった場合、どのように対処していますか?

私は基礎調査を行うようにしています。自分が触れたことのない領域に関しては、ネットの情報ではなく、主に新聞や書籍から情報を探すようにしています。ネットで探す場合、膨大な情報の中から信頼性のあるものをピックアップする必要がありますし、そもそもどういったワードで検索して良いのかわからない場合もあるためです。

さらに、「仮仮説構築」を行うこともあります。何か仮説を立てようとしても、そもそも何を知りたいのか、何を調べたら良いのかがはっきりとわからないときに行うもので、ひらめきや直感、第六感などに近い思考法で考えを整理します。

「仮仮説構築」フェーズで思考を整理するために、どのようなことを行えば良いでしょうか?

何を調べ、何を導き出したいのかが明確ではない段階では、KJ法を使って思考を整理することをおすすめします。KJ法とは、収集した大量の情報を効率良く整理する手法で、付箋とホワイトボードがあれば簡単に実践することができます。

精度の高い仮説に辿り着くために

情報収集には、通常どれくらいの時間をかけていますか?

調査対象によって異なりますが、実際の調査時間は約20~30時間です。一方で、手を動かさずに頭の中で思考を巡らせる時間は、1時間ほどです。私の場合、考えることは寝ながらもできてしまうため、夜寝る前に考えてから寝ると、朝起きたときに考えが出ていることもあります。考えること自体は手を使わないので、何かをしながら考えるということは頻繁にありますね。

情報収集の段階で出したい結論から遠のいてしまう場合は、どのように対応すれば良いでしょうか?

仮説構築の初めの段階で、アクションに結びつく明確な結論を立てることで、それを防ぐことができます。出したい結論から遠のいてしまう要因の1つに、「具体的結論=仮説」が明確ではないことがあります。なぜなら、具体的な結論が明確でなければ、次のアクションに結び付けることができないからです。

では、精度の高い仮説に早く辿り着くためのコツはありますか?

経験を積むことが重要だと考えます。精度の高い仮説を速く導くことができる人が、マネージャー以上のタイトルを持っていると感じています。また、精度の高い仮説を早く導くために書籍から知識をインプットしたり、日常生活の中で相手が話していることに対して、疑問を持つ癖をつけたりすることで、訓練することができます。

<執筆:星野 日菜>
※本記事掲載の情報は、公開時点のものです。