「業界は絞れたけれど、どの企業を選べばいいのかわからない」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
自己分析もある程度進み、業界研究などで必要な情報収集も進んできた頃、このような悩みにぶつかるかと思います。
「なぜ企業選びに悩むのか」
その理由は、本当の意味で「選べる」環境が用意できていないからではないでしょうか。
自己分析と情報収集の結果をバラバラのまま眺めていても、なかなか答えは見つかりません。双方を合わせて見ていくことが必要です。そこで今回は、改めて自己分析の方法も少し交えながら「企業比較の方法」の一例をご紹介します。
1. 就活の軸を決める
まずは就活企業選びの軸を選びましょう。その際にゼロから考える必要はありません。Googleをどんどん活用して、一般例として挙がっているものを活用して効率的に時間を使っていきましょう。
大きく分けると、上記の「会社情報」「労働環境」「人」「お金」「自己成長」の5つです。
上記がすべてではありませんので、あくまで参考としながら自分なりの就活の軸を洗い出してみましょう。
2. 就活の軸を言語化する
先ほど洗い出したものを眺めていると、徐々に自分が大事にしたい軸が固まってくると思います。
次はそれを言語化していきましょう。今回は下記のような表を使います。
まずは、先ほど選んだ「就活の軸」を入力します。沢山あると良いですが、最低でも5個を選びます。
次は、「自己定義」をします。自分なりに定義することが非常に大切です。
悩んだり場合は、情報収集し自分が最も納得した情報を記入しましょう。
これをしっかり定義しておくと自分の中でブレることがなく、いざ面接で話すときに面接担当者から返答に詰まる可能性がなくなります。また抽象度が高い用語は、できるだけ具体的に言語化しておきましょう。
続いては「理想状態」の言語化です。自分のなりたい理想をもとに選んだ就活の軸を、できるだけ具体的に第三者にも分かりやすく伝わるように言語化するのが大事です。
面接担当者から「就活の軸に社風をあげてくれているけれど、どういう社風があなたにとって良いんですか?」と聞かれたときに言葉に詰まることなく伝えることができるようになります。
最後は、「軸にした根拠」です。何故自分の中でそれを大事にしているのかについて、きちんと考えてみる必要があります。
まだ気づいていない自分の中の価値観やこだわりはないか、一度振り返ってみましょう。
この時、過去の体験と紐づいている価値観の方がしっかりと面接担当者に伝わりやすくなります。
何故なら、価値観やこだわりというものは、ある日突然生まれるものではなく、過去の体験をベースにしているものがほとんどだからです。
昔読んだ本、見たテレビ、親の背中、友人の話など、いつからその価値観を大切にしているのか、過去をさかのぼって考えてみましょう。
そして、すべてが埋まったらようやく優先順位を振り分ける作業に入ります。
「自己定義」、「理想状態」、「軸にした根拠」と書くうちに、自然に優先順位も見えてきたのではないでしょうか。
一例として、以下に優先順位を記入しました。
1位 得られるもの
2位 社会貢献度
3位 インセンティブ
ようやく自分の中で大事にしたい就活の軸の上位3つが見えてきましたね。
いよいよ、企業比較に入ります。
3. 定量的に企業を評価する
先ほどの上位3つに点数倍率を設定して、企業ごとに点数をつけてみましょう。
【条件】
①点数は「5点満点」
②点数倍率は「1位が2倍、2位が1.5倍、3位が1倍」
今回は上記の条件でやってみましたが、点数や点数倍率は好きなように変えていただいて構いません。
例えば、1位がほかのものよりも何倍も大事だという場合には、1位の点数倍率を3倍や4倍と大きくしてもよいでしょう。3位までではなく、10位までを書いてみてもいいかもしれません。ぜひ自分に合ったやり方で行ってみてください。
ただし、「点数の定義」と「根拠」は書いておきましょう。
点数の定義がぶれているとその時の気分によって点数がずれてしまうことがあるからです。また、根拠を書いておかないと後で見返したときになぜこの点数なのかということが分かりづらくなります。
上記の例では、一番上の「〇×株式会社」が総合得点19点で、この4つの中では最も自分の理想に近い企業だったという結果になりました。
【点数内訳】
1位 得られるもの :5点 × 2.0 = 10点
2位 社会貢献度 :4点 × 1.5 = 6点
3位 インセンティブ :3点 × 1.0 = 3点
逆に「△△商事」が総合得点14.5点となり、自分の理想からは一番遠い結果となりました。
【点数内訳】
1位 得られるもの :4点 × 2.0 = 8点
2位 社会貢献度 :3点 × 1.5 = 4.5点
3位 インセンティブ :2点 × 1.0 = 2点
このように表にして企業をリストアップしていくと、自分なりの根拠をもとに定量的な企業評価ができるため、自分の理想に近づける意思決定ができます。
いかがでしたでしょうか。
企業選びに悩んでる方は、一度この表を活用して自分の就活の軸を整理して優先順位づけし、企業を定量評価してみましょう!
<執筆:濱岡 聖朗>
※本記事掲載の情報は、公開時点のものです。